2008-11-01から1ヶ月間の記事一覧
俺は寝たままの状態で、頭だけ起こして田中爺と山本爺のベッドを見た。 起き上がって来る気配も無い。 田中爺と山本爺は、スヤスヤ寝ているようだ。 “ よくこの音で寝ていられるな・・・・。 これだけデカイ音なんだから、爺さんたち眼を覚ますと思うけど・…
俺はハッと思った。。 “ そうだ、ナースコールだ! この異常事態を看護婦さんに知らせなきゃ!” 俺は枕元を手で探った。 右手で枕の辺りをゴソゴソ探る。 でも、押しボタンにもコードにも手が当たらない。 “ な、無いぞ!” どうしたんだ、Hey Hey Ba…
小さな音は、少しずつ大きくなり、抑揚のある節と共に流れ出した。 “ これは夢・・・かな?” その節をつけた音は、やがてブツブツ言う小さな声に変化した。 『 ・・・・おんばあさらえんそわ・・・・おんばあさらえんそわ・・・・。』 “ 何か変な声のような…
Photo Lounge71 地獄行き 「 地獄は、あっちです!」 ☆Photo Lounge目次に戻る。 Photo Lounge目次 ☆HOMEページに戻る。 HOMEページ
病院の夜は、暗く深く更けて行く。 数時間が経ったような気はしていた。 俺には暗い闇の中をフワフワと漂っている感覚があった。 海に浮かんだように横になったまま、物音も聞こえず、暑くも無く寒くも無く、深い闇の中をフワフワと漂っている。 そして、漂…
8、消灯1 消灯の時間が来た。 田中爺も山本爺もベッドに戻っている。 見回りの看護婦さんがやって来て言った。 「 消灯で~す。 消しときますね。」 “ パチッ!” 蛍光灯が消えて、病室が薄暗くなった。 “ もう、寝ているのかな?” 田中爺も山本爺も、大人…
山本爺は、弁当の端にあった黄色い御新香を一切れ、サッと摘んで口に放り込んだ。 “ あらっ!? トンカツじゃなかった・・・。” 山本爺は、クルッと向きを変えて自分のベッドに向かった。 俺は唖然として、去って行く山本爺の姿を眼で追った。 “ ポリ、ポリ…
山本爺はジワジワと俺のベッドに接近し、ベッドの右横までやって来た。 そして、箸を持った右手を俺の方に突き出した。 箸の先が俺の方に向かって空中を漂っている。 “ ギャッ、ヤバイ! あの箸で眼でも刺されたら大変だ!” 俺は、少し身を左に引いた。 “ 来…
俺は、山本爺とお話するのは、一旦、諦めた。 “ まあ、いいや・・・・。 同じ部屋だから、話す機会はいっぱいあるし・・・。 それより、腹が減ったな。 コンビニ弁当食っちゃおう!” 俺は、山本爺の相手をするのを止めてベッドに座り直し、後ろを向いてコン…
田中爺は満足そうに俺に言った。 「 うん、分かったなら、それでええわ。 あ、ションベン、行って来ォ! 説明で一生懸命やったから、行きたいの忘れてた。」 田中爺は、着物の前を閉じて、スリッパを足に引っ掛けて大急ぎで部屋を出て行った。 “ で、田中爺…
俺は田中爺の腹の左側に横線があるのを見付けた。 “ 何故、真っ直ぐで終わらずにL字型なんだろ?” それで、田中爺の横線を指差して質問した。 「 その横線は?」 「 おっ!!!」 田中爺は、よく聞いてくれたと言う顔をして俺に言った。 「 これは、腸重積…
Photo Lounge70 食べ物 「 それでは、ちょっと魚を頂いて・・・。」 「 ワン!」 「 わっ、僕を食うニャ~!!」 ☆Photo Lounge目次に戻る。 Photo Lounge目次 ☆HOMEページに戻る。 HOMEページ
俺は田中爺の胸と腹を見て驚いた。 “ わっ、大きな手術跡!” 俺が繁々と田中爺の腹を見ていると、俺の反応に満足した田中爺が言った。 「 ムフフフフ、どうや、スゴイやろ。」 俺はどう答えたらいいのか分からないので、取り敢えずスゴイと言うことにした。 …
井上さんが病室から出て行くと、田中爺が、テッペンがハゲたごま塩頭を左右に揺すりながら、コテコテの関西弁で俺に言った。 「 若いから、そんなもん、直ぐに治るでぇ~。」 「 はァ・・・。」 俺は気の無い返事をして、一度頷いてから、山本爺の方をチラッ…
Photo Lounge69 雨 「 雨、かな・・・・?」 ☆Photo Lounge目次に戻る。 Photo Lounge目次 ☆HOMEページに戻る。 HOMEページ
俺は、爺さん二人に挨拶をした。 まず、短髪のごま塩頭でテッペンがハゲた、妙に小太りな左爺に挨拶。 「 よろしく!」 そして、生まれて数日後のヒナ鳥のように白髪がツンツン立って、痩せた鶏がらスープの右爺に挨拶。 「 よろしく!」 看護婦さんが、俺に…
7、病室 俺は車椅子に乗せられ、救急処置室で世話になった看護婦さんに連れられて病室に向かった。 エレベーターを4階まで上がり、通路を進む。 そして、俺の入った病室は、ズラッと並んだ病室の奥から二番目にある中部屋だった。 ベッドは、病室の入り口…
Photo Lounge 55・・・リス君 Photo Lounge 56・・・ねこ Photo Lounge 57・・・雪の駐車場 Photo Lounge 58・・・助手 Photo Lounge 59・・・タカ Photo Lounge 60・・・停まれ Photo Lounge 61・・・りす Photo Lounge 62…
そして、俺は車椅子に乗せられて待合室に移動した。 “ もう、この看護婦さんに、さっきの話をしても無駄だな。 それにしても、さっきは危なかったな・・・。” 俺は、待合室は救急の受付や看護婦さんがウロウロしているから、危ないことも無いだろうと思った…