2008-12-01から1ヶ月間の記事一覧
田中爺はかなりエネルギッシュな人だ。 俺が病室に入ってからも、ジッとしていることがない。 俺を相手に病院のことを話し捲くり、通路で他の病人とお喋りし、ナースステーションまで出張し世間話をする。 この階の病室や通路だけでなく、他の階にも出没して…
病院の夜は長い。 何時間経ったのだろうか。 俺は、うるさい音に眼が開いた。 「 ぐごごごごごごぉ~、ぐごごごごごごぉ~。 くしゅ、くしゅ、ハックション、グスグス。 ズ~、ズ~、ズ~。」 眼が開いた理由は、田中爺のいびきだ。 「 う、うるさい!」 俺…
Photo Lounge75 階段 “地下鉄にて” ☆Photo Lounge目次に戻る。 Photo Lounge目次 ☆HOMEページに戻る。 HOMEページ
俺は、一瞬、瞬きをした。 “ ハッ!!” 今度は、はっきり目覚めている。 体も動く。 俺は、病室を一通り見回した。 特に変化は無い。 病室は、廊下の明かりが扉の窓から漏れている程度で暗い。 これだけの騒ぎにもかかわらず、爺さん二人は熟睡しているよう…
「 もう、今日のところは帰ってくれよ。 夜中なんだぞ。 みんな、寝てるんだぞ!」 「 しょうがないのう。 呪文を思い出せないし・・・。 それに、集中力も切れて来た・・・。 ま、今日のところは、いったん帰るかの・・・・。」 「 その方がいいと思うよ。…
俺は一旦眼を瞑った。 “ 悪夢なら、早く覚めろよな・・・。” 俺は再び眼を開けた。 でも、状況は変わらない。 “ う~ん・・・・?” 俺はベッドに仰向けになって、右から左へ、左から右へ跳んで行くガマ太郎の白い腹を見ながら思った。 “ 何で真夜中に、こん…
ガマ太郎は、俺をギロリと見た。 「 うわっ!」 俺は、ビックリして声を上げた。 ガマ太郎の舌がビヨ~ンと伸びて俺の顔を舐めたからだ。 “ うう、気持ち悪い・・・・。” 顔の舐められたところを手で触るとヌルヌルする。 “ うっ、くっさ~~~。” 手に付い…
Photo Lounge74 ツイスターゲーム 「 ツイスターゲーム、する?」 ☆Photo Lounge目次に戻る。 Photo Lounge目次 ☆HOMEページに戻る。 HOMEページ
俺がニヤニヤして婆さんの方を見ていると、イライラした婆さんは忌々しげに俺の顔を見ながら悪態をついた。 「 ええい、クソッ! 思い出せん!! 全部、おまえが悪いんじゃ!」 「 俺のせいじゃないぞ。 もう、諦めろよ。」 「 クソ~ッ! ダメだ。」 「 諦…
お揚げ婆さんは、まだ固まったまま動かない。 “ コイツ、固まってるぞ。 どうしたのかな?” 俺は我慢できずにお揚げ婆さんに訊いてみた。 「 どうしたんだよ、婆さん?」 お揚げ婆さんは、カエルの上で左斜め上に眼を遣ったまま答えた。 「 今日は・・・、ち…
俺は婆さんの自信に溢れた表情を見て思った。 “ コイツ、真言密教の奥儀がどうのこうのって言っていたな・・・。 それに、普通じゃない不気味な現れ方だったし・・・。 これって、結構、ヤバイんじゃないのかな・・・。 このババア、変な超能力を持ってたり…
Photo Lounge73 ペンギン 「 ペンギン、通ります。」 ☆Photo Lounge目次に戻る。 Photo Lounge目次 ☆HOMEページに戻る。 HOMEページ
話している間にも、お揚げ婆さんとカエルが近付いて来る。 「 近付いて来るなよ・・・・。」 「 ふふふ、怖がっておるな・・・・。 夢だから、どうってことないんじゃろ。」 「 怖くなんてないぞ。」 「 い~や、心の中でビビッておるハズじゃ。 あの時、せ…
俺はさらに強がって、お揚げ婆さんに言った。 「 これって、夢だから、どうってこと無いよ。」 「 ふふふふふ、そうかな。」 「 じゃ、夢じゃ無いのか?」 「 金縛りって知ってるかの?」 「 聞いたことあるけど・・・。」 「 レム睡眠のときに起こる現象じ…
俺はお揚げ婆さんを見上げた。 赤い円の光に照らされて弱いピンク色をしている病室を背景に、お揚げ婆さんとカエルは白く薄く光っている。 そして、お揚げ婆さんは俺を見下ろして口の両端を吊り上げニタ~っと笑った。 “ ううっ、気持ち悪いヤツ・・・・。” …
赤い円から抜け出した頭は、円の中に続くモヤモヤした煙を伴って空中に浮かんでいる。 “ ろくろ首ってこんな感じかな・・・。” それに、お揚げ婆さんの顔はこちらを向いている。 “ 気持ち悪いな・・、あの顔・・・。” 俺が横目で見ていると、煙は赤い円から…
Photo Lounge72 ワニ 「 獲物は?」 「 真っ直ぐだよ、父ちゃん!」 ☆Photo Lounge目次に戻る。 Photo Lounge目次 ☆HOMEページに戻る。 HOMEページ
俺は体が動かなくなっていることに初めて気が付いた。 “ 何だ、こりゃ!? 目玉を動かすことぐらいしか出来ないぞ。” 頭の中では呪文が鳴り続けている。 “ ありゃ!?” 俺の眼の端が明るい。 ベッドの右側だ。 “ 何だろ?” 俺はベッドに仰向けに寝たまま視線…
左右から響いて来る声は、俺の頭の上で交差して迫って来る。 “ うわっ!!” 右からやってきた呪文と左からやってきた呪文が、俺の左右の耳から同時にピタッと頭に入って来て“ピキ~~ン!!”と一致した。 “ 何だ、何だ,何だ、これは! 俺の頭の中で呪文が鳴…
夢を見ているのなら、特に不思議なことはない。 今日は入院した最初の日だ。 病院に入院した不安から、変な夢を見ているのだ。 夢の中なら、辻褄の合わないことだっていっぱい起こる。 “ とすると、これはヤッパリ夢だな。 ハハハハ、夢だったら驚くことも無…