_2-19 港への道
H1号が、再び、出てきました。 「 フフフフフ、ソレデハココデ問題ダ! サテ、シミコ婆サン、H1号ヲ持ッテ立ッテイル コイツハ、イッタイ誰デショ ウ?」 「 ・・・・・・・。」 「 分カラナイノカ。 ソレデハ、ヒントヲ ヤロウ。 ソレハ、先程、シミコ…
そのとき、H1号を持っていたなんじゃ殿様が口を挟み、シミコ婆さんに聞きました。 「 あの~、今、ホンジャ大学と言ったけど・・・。 それって、なんじゃ国ともんじゃ国の中立地帯にあった大学?」 「 ああ、昔はな。」 「 え、昔って?」 「 昔は、そうじ…
H1号が、その言葉にハッと反応しました。 「 新シイ クイズヲ 思イ付イタゾ! 今日ハ、絶好調ダ! ソレデハ、シミコ婆サンダケニ 問題ダ! H1号ノ、アリガタイ クイズノ口調ヲ、シミコ婆サンガ 始メテ聞イタノハ、何 処デシタデショウカ? サア、シミコ…
H1号は、お頭ブラックの声に答えます。 「 エッ、ドウシタッテ・・・・。」 H1号の方に、みんな顔を向けています。 H1号は注目されていることに気が付きました。 “ オヤッ、ミンナガ コチラヲ見テイルゾ・・・・。 H1号ハ、注目サレテイル。 ヨシ、…
音は、なんじゃ殿様から出ています。 なんじゃ殿様が、キョロキョロして言いました。 「 あれっ、何か鳴ってるな? 何処だ、何処だ?」 なんじゃ殿様は、体のあちこちを探します。 「 あった、あった、これだ。 この音声ボタンが光ってる。」 なんじゃ殿様は…
お頭ブラックと子分たちが喋っている間に、なんじゃ殿様はモ二ターカメラを体に付け、H1号の本体である電気炊飯器を両手で持って戻って来ました。 そして、なんじゃ殿様は、子分たちでできた人垣の後ろから首を伸ばして、シミコ婆さんの様子を覗き込んでい…
なんじゃ殿様が言いました。 「 ホント、もう、ブラックの相手はしてられないや。 僕、道端に置いておいたH1号を拾ってくるね。」 なんじゃ殿様は、クルッと向きを変えてH1号を拾いに行きました。 エッチソンが、お頭ブラックに言いました。 「 お頭、お…
そして、お頭ブラックは子分たちに言いました。 「 ハイ、CM撮影場面終了!! んじゃ、みんな、こっちに集まって!」 海賊の子分たちは、CM撮影の隊列を解き、バラバラとシミコ婆さんの所に集まって来ました。 そして、遠巻きにホログラムのシミコ婆さん…
お頭ブラックは、地面に落ちていた短い棒切れをマイク代わりに拾って来てエッチソンと並びました。 子分たちは、ゾロゾロと二人の後ろに並びました。 そして、いよいよCMのスタートです。 お頭ブラックが言いました。 「 婆さん、よく見ろ! これが、我ら…
子分たちが、お頭ブラックの所まで来ると、お頭ブラックは言いました。 「 えっと、今から電気屋のCM撮影用のシーンをやるぞ! この映像と言うか、ホログラムと言うか・・・・。 とにかく、こいつにCMを見せなければならないのだ!」 子分たちは、“?”な…
お頭ブラックの急かせる声が聞こえます。 「 こらァ~~!! 早く、来んか~~!! 何を、やってるんだ、もう!」 エッチソンが、言いました。 「 お頭が、怒ってまっせ! 行きまひょか。」 「 うん。」 子分たちは、らめちゃんを残して、リヤカーを離れ、歩…
たまちゃんが答えて言いました。 「 じゃ、今日はここまで! 確かに時間は、気になっていたんだ。 早く、船に戻らなきゃね。 あの変なヤツも気になるし・・・。 ま、続きは、またするからね。」 「 仕方が無いなァ・・・。」 「 また、するからさ!」 「 う…
ここまで たまちゃんが話した時、お頭ブラックの声が聞こえてきました。 「 お~い、お前たち! ちょっと、こっちに来~い!」 リヤカーに残った子分たちが、口々に言いました。 「 もう~、折角、今、いい所なのにィ~!」 「 ホンマでんな、もう、お頭、タ…
看護婦さんが、ワゴンを押しながらこちらに動き出しました。 ゆっくりとカラカラ言う音をさせながら近付いて来ます。 “ エレベーター、エレベーター、早く!” 私は、ボタンを押しながら近付いて来る看護婦さんを見ていました。 “ チーン。” エレベーターが到…
病室の扉が、ゆっくりと開くのが見えました。 “ おわっ、来る!” 私は、周りを見回して、エレベーターに走りました。 そして、エレベーターを呼ぶボタンを押しました。 エレベーターの止まっている階の表示を見ると“B1”でした。 その時は、おかしいなとは…
私は、床から直ぐに立ち上がって扉に走り、病室から飛び出しました。 病室の外は非常灯だけで、薄暗い廊下が続いていました。 廊下の真ん中には、薄気味の悪い看護婦さんが押してきたであろう医療器具を載せたワゴンがポツンとありました。 私は、ワゴンの横…
「 疑い深いヤツでござるな。」 「 よし、それじゃ、そのCM風景を見せてやろう!」 お頭ブラックは、バイクに残した子分たちを呼びました。 「 お~い、お前たち! ちょっと、こっちに来~~い!!」 一方、リヤカーに残った子分たちは、お頭ブラックとベ…
「 どうするでござるか?」 「 映像相手では、ボコボコにして逃げる訳にはいかんよな。」 「 殴っても、体の中を素通りするだけでござるよ。」 「 じゃ、このまま、無視して逃げようか。」 「 いや、無視して逃げると、あいつ、警察に通報しそうでござるよ。…
話にベンケーが割って入りました。 「 電気の修理でござるよ。」 「 こんな所でか?」 「 今、発電所からの帰りでござるよ。 配線版がショートして、大変でござった。 事故は、夜中でも待ってはくれないのでござるよ。」 「 う~ん・・・・・? それにしても…
「 こんな所に来ても、誰も居ないぞ?」 「 いや、発電所に用事があったんじゃ。 それがな、発電所にホログラムを送る予定じゃったが、地点設定を間違えた んじゃ。 それに、ホログラムのタイマーを3時間に設定してしまったから、もう、動きが 取れなくって…
婆さんは、顔に掛かった白い髪を両手で掻き揚げました。 皺の寄った顔からは、年寄りとは思えないほどの鋭い眼が光っています。 「 よっこいしょ!」 婆さんは座っていた石から立ち上がって、ジロッと二人の方を見ました。 お頭ブラックが、婆さんに聞きまし…
お頭ブラックが言いました。 「 何だ、映像か。 驚いて損をしたぞ。 何処から映しているのだ?」 「 光源は分からないでござるな?」 「 まあ、いい。 お化けじゃないことも分かったし・・・。 よし、ちょっと遊んでやれ。」 お頭ブラックが、婆さんの顔の前…
話をしながら歩いていると、もう、婆さんに5mほどの所までやって来ました。 婆さんは相変わらず、街灯の下に座って、両手で頭を抱えてうなだれています。 二人が近寄って来ているのに気が付いていないようです。 「 あの婆さん、透き通っているように見えな…
轍の跡が残る道路を歩いて、街灯に近付いて来ました。 街灯の下にある石に腰掛けているのは痩せた婆さんです。 体全体が、ボ~ッと光っています。 お頭ブラックがベンケーに言いました。 「 婆さんだな・・・。」 「 婆さんでござる・・・。」 「 生きている…
「 う~ん、どうも、さっきからその気がしないのでござる。」 「 どうしてだ?」 「 エクトプラズムかなァ・・・・・・。」 「 あ、分かった、首が180度回ってグェ~って言う奴。」 「 それは、エクソシストでござるよ。」 「 映画館で見て結構気持ち悪かっ…
一方、バイクと子分たちを残して、お頭ブラックとベンケーは二つ先の電柱の下に座っている白い人影に向かって道路を歩いていました。 背後から、“ぎゃ~っ!!”っと言う叫び声が聞こえました。 お頭ブラックが、ベンケーに言いました。 「 ははは、やってる…
たまちゃんが、笑いながら言いました。 「 ビックリした?」 なんじゃ殿様が答えました。 「 当たり前だよ。 急に大きな声を出すんだもの。 ひどいなあ~。」 「 あはははは。 面白かった。」 「 あ~、ビックリしたがな。」 「 ほんまやがな。」 「 H1号…
私は、この順で行くと五人目の最後です。 私は、ジワジワ迫ってくる恐怖に布団を被り直して、ジッとしていました。 四人が終わったようです。 そして、いよいよ私の番です。 看護婦さんが、私の寝ているベッドに近付いて来る気配がします。」 たまちゃんの声…
お頭とベンケーがバイクから降り、白い人影に向かって歩き始めました。 エッチソンが言いました。 「 さすが、お頭、話が分かる。 白い奴も気になるけど、順番に行きまひょ。 わいは、この話は知りまへんにゃ。 ほな、続けてんか。」 エッチソンに言われて、…
子分たちは、たまちゃんの顔を見ながら、興味深そうに話に耳を傾けていました。 そこに、ベンケーが周りの様子を窺いながら、お頭ブラックに言ったのです。 「 あの~、お頭、先を急いだ方が良いのでは・・・・。」 それを聞いて、リヤカーの子分たちが騒ぎ…