2008-10-01から1ヶ月間の記事一覧
俺が、向こうのベッドを見詰めているのを見て、看護婦さんが俺に尋ねた。 「 どうしたの?」 「 そこに、足が・・。」 「 え、ここ?」 看護婦さんは、向こうのベッドを見ながら言った。 「 誰もいないわよ、もとから・・。」 「 でも、看護婦さんが様子を見…
Photo Lounge68 ドア 「 ちょっとミスったけど、イス置いとこ・・・。」 ☆Photo Lounge目次に戻る。 Photo Lounge目次 ☆HOMEページに戻る。 HOMEページ
隣の部屋の騒がしさは、もう収まって静かになっていた。 少し間を置いて、俺の相手をしていた中年の看護婦さんが部屋に入って来た。 “ 親が病院に来たのかな・・・? ちょっと、早い気がするけど・・・。” 俺はベッドの横まで来た看護婦さんを見上げて言った…
足は薄汚れて土色をしていた。 “ やっぱり、先客がいたんだ。 寝てるんだろうな・・、動かないし・・・。” 俺は、隣のベッドの下を見た。 “ スリッパとか、置いてないな・・。 あの男の人は、裸足でベッドまで行ったのか?” 俺はしばらく汚い足を見ていた。 …
看護婦さんの横顔が見えるか見えないかの一瞬で、看護婦さんはカーテンの向こうに隠れた。 “ ナースキャップは被ってなかったな・・。” 普通、看護婦さんは髪を短くまとめてナースキャップを被っている。 それが俺の看護婦さんのイメージだった。 でも、その…
俺は、向こうのベッドには人がいないと今まで思い込んでいた。 でも、実際は、右のベッドはカーテンに囲まれていて、中を一度も見たことが無い。 “ 誰もいないんだったら、カーテンを閉めておく必要は無いし・・・。 普通は、開けて置くよな・・。 このベッ…
俺は、しばらくは何の疑問も無く、退屈しながらそれを見ていた。 “ 隣の部屋との扉は開いているから、人の動きや通路からの空気の流れ で動いているのだろうな・・・。” そして・・・・、フッと思った。 “ どうして、波が奥から手前にやって来るんだろう・・…
Photo Lounge67 カンガルー 「 えっと・・・・・?」 ☆Photo Lounge目次に戻る。 Photo Lounge目次 ☆HOMEページに戻る。 HOMEページ
しばらくして、救急車のサイレンと共に隣の部屋のもう一つ向こうにある処置室が騒がしくなった。 “ 誰かが運ばれて来たんだ。” 俺は寝ている体の位置を左斜めにずらせ、首を回して右上を見た。 こうすれば、少しだけれど、隣の部屋の様子が扉の隙間や扉に嵌…
俺は処置室のベッドに横になって、親が来るのをひたすら待つことになった。 ベッドに横になっているだけで、特に何もすることがない。 “ 薬品の匂いだな。” 病院特有の消毒薬の臭いがする。 薬品の並んだガラスケースや壁に貼ってある医療関係のポスターは、…
俺は家に電話をして事情を話した。 電話に出た母親からは川に落ちたことをバカにされ、さらに病院が遠いとブツブツ文句を言われたが、まあ、仕方が無いので、取り敢えず急いで行くと言うことだった。 俺は受話器を置いて、横で話を聞いていた看護婦さんに言…
俺は疑問に思って、コードを引き摺りながら電話を持って戻って来た看護婦さんに聞いた。 「 あの~、連れて来て貰ったのは、爺さん婆さんの二人だけど・・・。」 「 あらっ、違うわ。 三人よ。 小さい女の子が一人、ついて来ていたわ。 お孫さんよね。」 「 …
処置室の中年の看護婦さんが、俺に聞いた。 「 川に飛び込み? 若いのに、飛び込みねぇ・・・?」 看護婦さんが俺の顔色を窺っている。 どうも、自殺と疑っているようだ。 俺は右手を横に振りながら言った。 「 違う、違う、自殺じゃないよ。 転がって来た鞠…
病院 6、処置室 俺は、三時間も掛かって、隣町の大きな総合病院に、救急で入院した。 普通は、一時間で行けるところを、爺さんが山道に迷って三時間掛かってしまったからだ。 その間、爺婆のカラオケは延々と鳴り響いていた。 もちろん、“雨あがりの夜空に”…
爺さんと婆さんのマイクデュエットは延々と続き、山にこだましている。 運転席の屋根の上に取り付けてあるスピーカーから嵐のような大音量の歌声が鳴り響く。 ♪(´∀`)ノ゛ こんな事いつまでも 長くは続かない いい加減明日のこと 考えた方がいい♪ どうしたん…
爺さんが叫んだ。 「 うお~っ、調子が出て来たぞォ~! そうじゃ! 婆さん、マイク、マイク! グローブボックスの中じゃ!」 「 あいよ、爺さん!」 “ ガチャッ、ゴソゴソ・・・。” 「 あった、あった。」 「 じゃ、プラグをそこに差し込んで・・・。」 「 …
爺さんが婆さんに言った。 「 そうじゃ、カセットテープがグローブボックスにあったの。 音楽でも掛けようかの。 婆さん、ちょっと探してくれや。」 「 あいよ、爺さん。」 “ ガチャッ、ゴソゴソ・・・。” 「 爺さん、これかの?」 「 おお、それじゃそれじ…