大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

あなたの知らない世界にようこそ

2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

日々の恐怖 1月29日 昔の友達(2)

日々の恐怖 1月29日 昔の友達(2) 一度それに抗議したことがあった。 それに対し彼は、 「 僕は君のことが大好きだからね。」 と、よくわからない理由を述べた。 彼お得意の皮肉かとも思ったが、皮肉を言う時はいつもはね上がる右眉は動かないままだっ…

日々の恐怖 1月25日 昔の友達(1)

日々の恐怖 1月25日 昔の友達(1) 知人が小学校三年生の頃、隣の家にとある家族が引っ越して来たという。 両親と兄妹という家族構成だったが、皆テレビドラマから抜け出て来たような美形揃いだった。 そのため、やって来た当初は隣近所から遠巻きに見ら…

日々の恐怖 1月22日 山の神様(2)

日々の恐怖 1月22日 山の神様(2) 彼は、 ” そうか・・、俺はもうだめなのか・・・。” と絶望状態になった。 すると、直後に彼女が再び現れた。 手には、あちこちが欠けた湯呑みを持っている。 それを、彼の方にグッと押しやった。 ” 飲めということか…

日々の恐怖 1月18日 山の神様(1)

日々の恐怖 1月18日 山の神様(1) 彼は若い時から登山が趣味で、日本各地の山々を標高の高低に関わらずあちこち登り歩いていた。 当然いくども危ない目にはあったらしいが、その中でも、 「 これはとびきりだ!」 と彼は少しだけもったいぶった。 とあ…

日々の恐怖 1月14日 ねこ(2)

日々の恐怖 1月14日 ねこ(2) 見えないねこは息子に誘導され、軒の下に古いクッションを敷いてもらい、そこを居場所にしたようだった。 「 ねこちゃん嬉しいって! お母さんありがとう。」 満面の笑みの息子に、家の中には入れないことを約束させたとい…

日々の恐怖 1月12日 ねこ(1)

日々の恐怖 1月12日 ねこ(1) 彼女のもうすぐ五歳になる息子は、ようやく喋れるようになった二歳前くらいから、自宅の前の側溝に、 「 ねこちゃん・・・。」 と話しかけていたそうだ。 しかし、母親である知人には何も見えない。 「 ねこちゃん、何して…

日々の恐怖 1月9日 追憶(2)

日々の恐怖 1月9日 追憶(2) 彼女はそこで、頼れる大人は先生だと思いついた。 先生ならきっと園舎の中にいるはずだ。 そう思い、後ろを振り返った。 「 あれ?」 彼女の目の前の園庭には見知った顔の子供たちが遊び、その向こうにはやや色褪せた園舎が…

日々の恐怖 1月6日 追憶(1)

日々の恐怖 1月6日 追憶(1) 彼女には、不思議な記憶があるという。 それは幼稚園の頃のことだ。 彼女が通っていた幼稚園には、園庭の隅に大きなナツメの木があった。 毎年夏になるとたくさんの実をつけ、先生に取ってもらうのが楽しみだったという。 あ…

日々の恐怖 1月4日 コーヒーの缶

日々の恐怖 1月4日 コーヒーの缶 そこは、戦後すぐに建てられたという古い精神科病院だった。 その一階にある売店に、先代院長の妻の幽霊が出るのだという。 先代院長の妻という人は、生前から意識が高いのか意地が悪いのか、判断に困る人だったらしい。 …