2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧
日々の恐怖 6月30日 チャルメラ(1) 彼女は中学校に上がるまでアパートに住んでいたのだが、そこには冬になると時々、ラーメンの屋台がやってきたそうだ。 さすがに人力ではなくトラック屋台だったが、夕方になると誰もが知る、 “ チャララ〜ララ〜。” …
日々の恐怖 6月28日 お釣り(2) 疑問顔の私に、店長は説明してくれました。 「 お釣りを渡そうとすると、何故か硬貨や紙幣がつるつる滑って取りづらくなることがあるんだよ。 その前後の客だと、問題なく取れるのに・・・・。」 取り損ねるだとか、取り…
日々の恐怖 6月26日 お釣り(1) コンビニ店長と世間話をしました。 そのときに出て来た話です。 コンビニ店長がいろいろな客の様子を話してくれました。 「 コンビニにはいろんな客が来ます。 すごく丁寧な応対をしてくれる客、あからさまにコンビニ店…
しづめばこ 6月25日 P560 、大峰正楓の小説書庫で再開しました。 小説“しづめばこ”は読み易いようにbook形式になっています。 下記のリンクに入ってください。 小説“しづめばこ” 大峰正楓の小説書庫です。 大峰正楓小説書庫 童話・恐怖小説・写真…
日々の恐怖 6月24日 彼の妹(3) しかし、彼はどこか浮かない顔でため息をついた。 「 先日、久しぶりに妹に会ったんです。 今度結婚するんだと言うので、祝いに飲みに行ったんですよ。 少し照れくさかったけど、意外に話が盛り上がって、お酒も進みまし…
日々の恐怖 6月22日 彼の妹(2) 妹の違和感について、彼は心当たりがあったという。 実は彼と妹との間には、妹が生まれる五年前に、性別も分からぬうちに流れてしまったもう一人のきょうだいがいたのだ。 妹が生まれるずっと前に、 「 もうすぐお兄ちゃ…
日々の恐怖 6月20日 彼の妹(1) 彼には八歳離れた妹がいるのだが、その妹について、彼は子供の頃から不思議な感覚を持っているという。 彼に言わせると、 “ 時折、妹が妹でない時がある。” というものだ。 どこがどう違うのか、それを説明することはで…
日々の恐怖 6月19日 嫉妬(3) 彼女がバツの悪さを感じた時だった。 「 やだ、なにこれ!」 叫んだのは母親だった。 なんだなんだと彼女と祖母は母親の手元を覗き込んで、言葉を失った。 母親が開けていたのは三人官女の箱だった。 そのうちの一つの人形…
日々の恐怖 6月17日 嫉妬(2) その年の片付けの際、彼女はこっそりお雛様と三人官女の一人の首を取り替えた。 人形の頭は胴体と細く短い棒で繋がっており、少し引っ張るとすっぽりと抜けたため、犯行は簡単だった。 頭と胴体がややちぐはぐになってしま…
しづめばこ 6月15日 P559 、大峰正楓の小説書庫で再開しました。 小説“しづめばこ”は読み易いようにbook形式になっています。 下記のリンクに入ってください。 小説“しづめばこ” 大峰正楓の小説書庫です。 大峰正楓小説書庫 童話・恐怖小説・写真…
日々の恐怖 6月14日 嫉妬(1) 彼女が生まれた時、祖母は初めての女孫だと大変喜んで、七段飾りの豪華な雛人形を奮発して購入してくれたそうだ。 物心着いてから、毎年二月半ばになると、祖母と母親と彼女の三人で雛人形を飾り付けるのが恒例だった。 し…
日々の恐怖 6月13日 喫茶店(4) 思いがけない話が聞け、私はますます呆気にとられた。 予約席は亡き戦友のもの、という話に勝るとも劣らない、不可思議な話だ。 「 お父様は、何かご存知だったのでしょうか?」 「 何も知らなかったと思いますよ。 僕と…
日々の恐怖 6月11日 喫茶店(3) 店主は途端に渋い顔になる。 店内を見渡し、私の他にはまだ誰も客がいないことを確認した。 「 絶対に他言しないと約束してください。 客足に響くと困りますから・・・。」 私が頷くのを見届けてから、彼は話しはじめた…
日々の恐怖 6月9日 喫茶店(2) それは、息子である今の店主にも引き継がれている。 雨の日や薄曇りの日には、その席にじっと腰掛ける若い男性の姿が、うっすら見えることもあるのだという。 「 なんですか、それは・・・・。 常連さんたちに担がれたんで…
日々の恐怖 6月8日 喫茶店(1) そこは、雰囲気の良いジャズが流れる喫茶店だった。 中に入るとコーヒーのかぐわしい香りが漂い、音楽は耳に心地よい。 何時間でも居座れるような空間で、実際店内にはいつも、長居の常連客の姿があった。 現在切り盛りし…
日々の恐怖 6月6日 お迎え(2) いよいよこれは大変だ、どうしたものかと悩んだが、不思議なことにその日以降、夢遊病はおろか不眠の症状さえピタリと治った。 夜中目覚めることはなく、朝も気持ちの良い目覚めだ。 今まではなんだったのかと思えるほどだ…
日々の恐怖 6月4日 お迎え(1) 彼女は家の玄関に、以前電池式の人感センサーライトを置いていたそうだ。 帰宅が大抵暗くなってからなので、いつも重宝していたという。 しかし一年程前、電池切れなのか調子が悪かったことがあった。 点いて欲しい時には…
日々の恐怖 6月2日 不思議な話(2) 「 しかし、なんでそんな携帯まだ持ってるんだ。 新しいのあるんだから、さっさと解約して処分すればいいじゃないか。」 私は当然のようにそう指摘した。 「 そうなんだけどさ。」 と言いながら、友人はリビングの写真…