大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 6月14日 嫉妬(1)





 日々の恐怖 6月14日 嫉妬(1)




 彼女が生まれた時、祖母は初めての女孫だと大変喜んで、七段飾りの豪華な雛人形を奮発して購入してくれたそうだ。
物心着いてから、毎年二月半ばになると、祖母と母親と彼女の三人で雛人形を飾り付けるのが恒例だった。
 しかし彼女は、うっとり人形を眺めるよりは、外で遊ぶ方が好きなタイプだった。
そのため、雛人形の飾り付けも片付けも、退屈な作業だったという。
 ある年彼女は、退屈しのぎにとんでもないことを思いついてしまった。

“ 人形の首を取り替えたら、来年おばあちゃんたち気付くかな・・・?”

 毎年行っているとはいえ、年に一回のこと。
雛人形を出す際には、ああでもないこうでもないと、祖母たちは見本図や昨年の写真を片手に大騒ぎするのが通例だった。
 そんな騒ぎの中で果たして、人形の頭が変わっていたら気がつくだろうか。
雛人形は高価なもので、それでなくても大切にしなければいけないものだということは、わかっているつもりだった。
しかし、一度いたずら心についてしまった炎はもうどうすることもできなかった。








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