大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

あなたの知らない世界にようこそ

霧の狐道247

   10月18日(日)

     報告

“ 朝だ、あさだァ~よォ~、朝日がのぼォるゥ~♪”

 次の日、俺は田中爺の例の歌声で眼が覚めた。
遅くまで起きていたから、かなり眠い。
 俺は山本爺のベッドを見た。
ベッドは人の形に膨れている。
少し動いたような気がした。

“ あ、山本爺、大丈夫・か・な・・?”

俺はひと安心して、次は、龍平が気になった。

“ 龍平の方は、どうなったんだろう?”

田中爺の歌声は廊下で続いている。

“ トイレに行きたいな・・・。”

俺は車椅子に乗ってトイレに行くことにした。
 病室をノコノコ出て行くと、体操をしている田中爺と眼が合った。
田中爺は体操を中断して俺に言った。

「 よっ、早いなっ!」
「 おはようです。」

俺は田中爺と挨拶を交わしながら、通路の向こうの方を同時に見た。

“ あれっ・・・?”

田中爺の向こう、遠くにベッドが一つ廊下に出ているのが見えた。

“ ベッドがある・・・。”

昨日の夜、通路をウロウロしていたときは無かったのだ。



☆HOMEページに戻る。
  HOMEページ